従兄弟と復帰山行「朝日・雪倉岳縦走」 2007年8月11日〜12日
メンバー : 従兄弟&たか
                                 朝日・雪倉岳で出合った花達

8月11日(土)晴れ

従兄弟の滑落事故以来3年間の月日が流れ、やっとこの日がやって来た。
もと姫の「くれぐれも気を付けて」の声を後に、夜明けの道を蓮華温泉に向かう。従兄弟もこの日が実現できた事に、感無量の想いを話す。

蓮華温泉駐車場 5:45am
登山口の蓮華温泉駐車場はすでに満杯、圧倒的に白馬大池方面が多いようだ。予定より30分遅れでスタート、ゆっくり話しながら歩き始める。
「兵馬の平」はすでにギボシが終わり寂しげな風情。これから行く朝日・雪倉方面の峰に陽が当たり輝いている。
朝の兵馬の平

瀬戸川の橋
瀬戸川への急降下を下ると瀬音が大きくなり、突然立派な鉄橋の前に出る。
簡単に朝食を食べ、小さな尾根を登り再度下ると白高地沢の橋に出る。累々と巨岩が横たわる、如何にも荒沢という様子だ。
ひょうたん池

白高地沢 8:22am
ここから本格的な登りが始まる、汗を噴出しながら歩く。

振り返ると木々の間に蓮華温泉の赤い屋根が見える。
最初の出発で高度を下げ、なんだか損をした感じだ。
2時間程で
「花園三角点」やっと視界が開け五輪高原の草原に出る。

素晴らしいお花畑が、木道の横に広がる。

花園三角点10:15am

五輪高原
冷たい湧き水が流れ、暫し腰を下ろし喉を潤す。従兄弟も痛む背中を休める。
木道をゆっくり上るが、
何故か自分の足が攣り始める「あれ?ヤバイナ〜」
花を撮るふりをして休みながら歩いて、何とか持ち応える。

五輪高原を振り返る

五輪の森
五輪の森は五輪山の巻き道、此処も至る所に沢水が流れる。
岳樺の林を抜けると、又もや素晴らしいお花畑が現れ、随所に雪融水が流れまるで天上の楽園

此処からのスロープは山スキーでは最高だろうな。

天上の楽園

吹き上げのコル 2:05pm
右に朝日への稜線をみると、間もなく「千代の吹き上げ」早速「栂海新道入口」で記念写真。

頭の隅で、昨年此処を最後に消息を絶ち、6日振りに救助されたYさんの事を思い出す。

最後の登りで朝日岳頂上。誰も居ない頂上で、従兄弟とハイタッチで喜びを分かち合う。
後は下るのみ、お花畑にすっかり足を引っ張られたが、予定より1時間遅れで入れそうだ。

朝日岳への登り

朝日岳頂上 3:20pm
足の痙攣も治り、調子良く木道を駆け下りる。
待ってるのはもちろん冷たいビールだ。

朝日小屋の清水オーナーと初めて逢うが、電話での話を覚えていたみたいで「明日は鉱山道?」と聞かれる。
朝日平への道

朝日小屋
夕食は豪華、マグロの昆布締めの刺身まで出ていた。「たくさん食べて」のオーナーの言葉。
陽が落ち、暗くなった頃、外に出てみると半袖でも寒くない。北方に街の灯りが見える。

清水オーナーに聞くと、朝日町・入善町の灯りだそうだ。これで漁火が見えれば良いけど・・・部屋に戻ると、すでに従兄弟は今日の疲れで寝息をたてている。今晩は暑苦しい夜になりそうだ。

やっと乾杯 4:10pm

朝日小屋の夕飯
8月12日(日)晴れ

寝苦しい一夜が明け4時前の起床、同室者を起こさない様ザックを持って廊下に出る。外に出て見ると、今日の好天を約束するような星空。昨日の事があるので、涼しい中に雪倉岳まで行く予定だ。弁当を受け取り、「又おいで下さい」の言葉を後に
「水平道」に入る。空が薄っすらと明るくなり剣岳が見える。

夜明けの剣岳 4:55am

水平道のお花畑
巻き道のアップダウンを繰り返すと、突然お花畑にでる。まだミズバショウの花が咲いている。これも水平道の魅力の一つか。

幾つかのお花畑を通り、前方に雪倉岳が近づくと朝日分岐。

白馬が見えてくる

陽があたり始める

小桜ヶ原 6:18am
2人で弁当の朝食を食べる、白馬からやって来た単独の女性と暫し会話。今日の中に蓮華温泉まで下るそうだ。
規模の大きい小桜ヶ原のお花畑を抜け、赤男山の燕岩の下を通り、雪倉への登りにかかる。まだ9時前だというのに、日差しが強く汗が吹き出てくる。高山の花達に癒され1本の小休憩で頂上に。
白馬方面からの登山者が数人休んでいる。行く方向に白馬・旭岳がどっしり聳えている。

雪倉岳の登り

雪倉岳頂上 9:08am
東方に懐かしい頚城の山々、かすかに戸隠の横に飯縄山も見える。
時間はたっぷりあるので、ゆっくり休憩して山々を眺める。

従兄弟も感無量の面持ちで眺めている。

白馬方面

避難小屋から鉢ヶ岳の巻き道

避難小屋へのお花畑

雪倉非難小屋 10:20am
朝日・雪倉の縦走は圧倒的に白馬からの縦走者が多い。五輪尾根の長い登りが敬遠されるのかな。
避難小屋の下りは、またもやお花畑の連続。風当たりの強い鞍部に避難小屋が建っている。鉱山道の下りが心配なので、休まず分岐まで急ぐ事にする。
鉢ヶ岳の右裾を巻いて、1時間程で鞍部そして100m程の登りで鉱山道分岐。分岐から鉱山道の広い尾根を見ると3人のパーティが下って行くのが見える。先行者がいるのを確認して安心したせいか、大休止とすることにする。あまり気持ち良いのでウトウトしていたら、単独の男性が鉱山道を降りていく足音で目が覚める。

雪倉岳を振り返る

鉱山道分岐

鉱山道を下る 11:55am
「そろそろ我々も下ろう、先はまだ 長いし早く温泉に入りたい」重い腰をやっとあげ歩き始める。上部は広い尾根筋を下降、小さな石のペンキが遠く、方向に寄っては判り辛い。

白いザクが足跡を消して、ガスれば磁石が必要だが、今日は快晴で方向が明瞭に見えている。青いザクに変わる頃、尾根が狭くなり沢筋に入って行く。途中の「うまい水」が美味しい。塩谷精錬所跡は見過ごしそうな標識がある小さな平。
暫く行くと単独の男性が、大きなザックを背負い登ってくるのに逢う。雪渓が3箇所あり、マークが無いので分り辛いの情報を得る。

沢筋に降りる

最初の急な雪渓を渡る

蓮華菱を見ながら渡る雪渓
左に雪倉が覆いかぶさるようになると最初の雪渓に到達、入る前に前方の登山道を確認する。
かなり急で滑るとすぐ下のクレパスに落ちそう。ストックを付き、ステップを切りながら僕が通過。従兄弟も慎重に通過する。

2番目の雪渓は小規模、
面白がって滑ったら転び5m程滑り落ちた。

右下に瀬戸川の瀬音を聞くようになり、小蓮華の蓮華菱の岩場が近づくと大きな雪渓が現れる。
雪崩の常習地か?大規模な雪渓が残っている。比較的緩やかで簡単に渡れるがマークが無いので出口の確認をする。

蓮華鉱山事務所跡 1:42pm
幾つもの枝沢を横切り右上方に白馬乗鞍の特徴あるピークが見え、迫力ある蓮華菱が右横になると鉱山事務所跡。何て事はない6畳程の小さな木陰の平。此処からはダラダラと巻き道を歩き、枯れ沢をペンキを見つけながら降りる。
途中から又巻き道に戻るので、枯れ沢を下り過ぎない様注意が必要だ。やっと瀬戸川の下降点に、急に高度を下げ瀬音が聞こえるようなると瀬戸川の仮橋に着く。
やはりかなりの水量だ、渡れそうな箇所があるけど腰までは浸かりそうだ。

瀬戸川の仮橋 2:55pm
白馬から鉱山道を下ってきた男女5人のパーティを抜き、蓮華温泉への伝言を頼まれる。
後は対岸のザレ場を攀じ登り、覚えのある道を歩き遊歩道に戻るだけ。赤い屋根の蓮華温泉への緩い登りが、今日の行程で一番長く感じられた。。

蓮華温泉到着 3:48pm
事故後の3年間は従兄弟にいろいろな事をもたらした。療養の為の事業の休止、そしてそれによる経済的な損失。
断ち切れそうな家庭生活の日々、幾度なく挫けそうな自分と戦いながら耐えた3年間。
山は自分にいろいろな事を与えてくれたが、一歩間違えると家族にも大きな犠牲を強いる話。経験した人でしか言えない言葉には重みがあり、誰でもそうなる可能性がある山登り。
でも、今は素直に何度もの挫折を味わいながら、復帰できた従兄弟との山行に感謝しよう。
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